古い時代のオイルランプです。
ガラスのホヤは球と細い筒状のふたつ重なるタイプです。細い筒状のホヤにはH.TOYODA OSAKAと菱型に田の文字。明治初期にはまだ輸入が主だったようですので、その後の陶器や織物など諸産業で輸出を強めていった時代の物と思われます。
丸いホヤにはすりガラスでしょうか。ざらついた質感で不透明の加工がなされ、かわいらしくもなつかしい雰囲気の花と葉が描かれています。
大きさは高さ７５.５ｃｍ、幅は最も大きい丸いホヤのところで１７ｃｍほど。
状態として、土台にわずかな打痕、丸いホヤの上の切り口にわずかな欠けが見られる限りです。替え芯も存分に残っており、動作にも支障は感じません。砂が詰められている土台からの歪みによる砂の漏れも見られません。金属製の座敷ランプの中では、私が知る限り最も良い状態の部類です。
『「ランプにはいろんな模様があって、中からの光で座敷全体に映し出される。そうした模様に包まれるのが魅力だった。」ご覧ください、壁一面に映し出された影模様。 夕暮れ時の座敷ランプの光も何とも趣があります。 』と語られ、“明治の華”と謳われた座敷ランプ。
竹製の日本家屋の座敷に馴染まされた竹製のものよりも、現代では金属製の物の方がインテリアにより広くなじむと思います。
暮らしを包む夜の灯りとして、古き良き時代の温かい光はいかがでしょうか。
お使い頂ける方にお譲りできれば幸いです。ご質問などございましたらお気軽にどうぞ。
※時節柄衛生面が気になられる方もいらっしゃるかと思いますが、当方では祖父祖母らから引き継いだ物、私が２０２０年春までに買い集めた物たちを少しずつ個人で出品しております。ほぼ家から出ることの無い人間ではございますが、自身の管理にも留意し、それぞれのお品も適した方法での洗浄、殺菌を行った上でお包みを致します。
お品物の状態にも諸手続きにおいてもなるべくご不安のないよう努めて参りますので、この点につきましてもご質問や気がかりな事などございましたら、お気軽にどうぞ。